立ち漕ぎランの種類
ポジション3ランとポジション5ラン。ポジション3が外側先端。ポジション5が内側先端。何が変わるかというと、ポジション5ランのほうが、身体を腕で支えやすい、といえます。だから(私は)ポジション5ランのほうが楽。
初級者のみなさんの立ち漕ぎランは下のモデル図の左側になってるはず。はじめはそれでいいです。それでもたぶん「立ち漕ぎランなんかできないっ」と思うでしょう。でもそのうちできるようになるから大丈夫。私が「ポジション3ラン、ちょっとできるようになったかな」と感じ始めたのは、受講200回超えるくらいからでしょうか。若い方ならたぶん50回から60回で漕げるようになると思いますよ。
理想的なのは、ポジション3ダブルタイムを漕ぐときの姿勢(モデル図右側)を保ったまま、重心を若干落として身体を腕と体幹で支えて高回転のラン、ということになります。
立ち漕ぎランのコツ
ポジション3でもポジション5でも立ち漕ぎのランには、座り漕ぎランと少し違ったコツがあるようです。
1)しっかり体幹と腕で身体を支える
腹筋の力を抜かないで、さらに背筋も意識して体幹で身体を支えるのはポジション3ダブルタイムと同じ。ただ、ランになるとできるだけ軸を動かさないほうが楽に速く漕げるので、体幹と腕力も使って身体を支えます。
機会があったら、美しいポジション3ランをしている人の姿を見てみてください。上半身は微動だにせず、脚だけ高回転で(ついでに涼しい顔をして)漕いでるはずです。
立ち漕ぎランの時には必死で漕いでしまって回りに目が向かない、という気持ちもわかりますが、一度は自分のことは置いておいて、きれいに漕ぐ人のことを研究することも大事です。最前列で漕いでいる人は自信のあることが多いでしょうから、そういう人の漕ぎ方を参考にするといいでしょう。
2)プログラム全体を俯瞰して臨む
立ち漕ぎランが普通に登場するBB2の場合、プログラム全体の流れ・強度配分を把握してレッスンに臨むべきです。
強度の高いプログラムでは、初めての受講で完璧に漕ぎきるのは至難の業、というかBB2初級者さんにはたぶん不可能。プログラムの強度に加えて難度も高くなり、ラストソングあたりになると体幹への負荷が蓄積して身体を体幹で支えきれなくなるからです。自分の体力や経験とプログラムの流れを合わせて、自分なりのペース配分を考えましょう。
プログラム序盤、中盤のスプリント曲の後の曲で十分にリカバリーすることも覚えましょう。やさしいプログラムでは、スプリントの後に少し楽な曲が用意されています。このときに漕ぎながらふくらはぎを伸ばしてみたり、身体をストレッチしてみたり、といったリカバリーも大事です。
「すこし背伸びして漕ぎきりたい」というプログラムが見つかったら、何度もチャレンジしてみましょう。3回、4回と受講するうちに、初回ではできなかったことが徐々にできてくるはず。50歳代がいうのだから、間違いはありません。あなたも必ず進歩できます。
3)長いランにも耐えられる身体の使い方を知る
32カウントのポジション3ランは、だいたい15秒程度なので、「気合」で漕ぎきることもまぁ可能でしょう。ただ、64カウントランや、96カウントポジション3ランになると、そうはいきません。30秒から45秒程度になるでしょうか。だいたい最後の16カウントで失速してしまいがち。
ランを漕ぎながら、少しずつ重心位置を(前後にあるいは上下に)変えてみる、とか、身体を少し前後にゆらしてみる、とかいうテクニックも試してみましょう。
また、座り漕ぎランの稿でも書きましたが、「ラーンッ!」の声がかかってから徐々に加速していく漕ぎ方は立ち漕ぎランでは座り漕ぎランよりも、さらに有効です。ランは漕ぎきることが大事。途中で失速してしまってラストでまたペースを上げていくのはとってもつらい。だったらランのはじまりを少し工夫してみませんか?
96カウントポジション3ランを(ギリギリだけど)漕ぎきったときの爽快感は病みつきになりますよ。
ご健闘を祈ります。