初級者さん向けに、ポジション3ダブルタイムのコツを書いています。P3DT(1)から続く。
P3DTを漕いでみてコツを知る
ポジション3立ち漕ぎの基本を理解したところで、ポジション3ダブルタイムを漕いでみます。スタジオでレッスン前に時間があるときに試してみるとよいでしょう。5分もあれば練習できますよ。
まずは自分で気持ちよく焦げるリズムペースでポジション3立ち漕ぎです。この時、トルクを普通よりも少し(一回転ほど)右に回しておきます。姿勢は前稿に書いた通り、前かがみで、腕に頼らないで、重心はミゾオチ下あたりです。
やってみること(1)ポジション3リズムから、トルクをもどしていきなりポジション3ランをしてみましょう。
ポジション3で全速力でランしてみます。10秒くらいでかまいません。この時に自分の姿勢がどうなったか観察してください。たぶん、重心が普段より前に行き、腕に体重がかかっているのではありませんか?そりゃそうです。脚を全速力で回すのですから、できるだけ腕に重心をかけて脚を楽に回したいからです。実はこのように重心が腕にかかってしまう漕ぎ方だと(絶対に)長続きしません。今は20秒がせいぜいではないですか? ポジション3ダブルタイムでは重心を前にかけないようにします。
もう一度ポジション3立ち漕ぎリズムに戻りましょう。
やってみること(2)ペースを少しずつ上げていく
今度は、リズムで漕いでいるペースを徐々に速くしていってみましょう。少し前かがみで腕は支える程度で、という基本を変えないように。ペースを速くするにしたがって、次第に身体の跳ねが小さくなり、ある速さになると基本の漕ぎ方のような跳ねる漕ぎ方ができなくなるはずです。その速さがあなたのダブルタイムの始まりです。ここから漕ぎ方を少し変える必要があります。
ここから先は、自分のペースで練習していきましょう。あまり速すぎるペースは不要です。
やってみること(3)腹筋に力をいれてみる
ダブルタイムに入ったところあたりのペースで漕ぎながら、普段よりも腹筋に力をグッと入れてみてください。普段の三倍くらいのイメージで、腹筋が固まるのを感じるくらい。
どうですか?身体の安定感が違ってきませんか?腕へ行きがちだった重心が体幹(腹筋)方向にもどって来るのを感じると思います。ポジション3ダブルタイムのコツの一つはここにあります。
やってみること(4)背を伸ばしてみる
腹筋を固めて体幹で支える感覚を感じたら、そのまま(腹筋を固めたまま)少し背を伸ばしてみてください。前傾を少し緩めて、特に肩甲骨から背中の筋肉を使う意識で、背を伸ばします。ほんの数センチですが、重心が上方に上がってくるのを感じられると思います。この時すでに前かがみではなくなっても構いません。
どうでしょう?背を伸ばす前よりも脚が少し楽になっていませんか?この時、重心はミゾオチ下辺りから腹筋上あたりに少し移動しているはずです。ポジション3ダブルのコツの二つ目です。
やってみること(5)脚を引き上げて漕ぐ
腹筋を固めて、少し背伸びする姿勢ができたら、太ももから引き上げる漕ぎ方を意識してみてください。踏み込みません。太ももを真上に引き上げるのです。このために、少し背を伸ばすことで重心をミゾオチ下から脚の付け根の上あたりにまで移動させています。踏み込んで漕ぐやりかただとどうしても身体が左右にブレてしまう原因になります。腰が振れたり、肩が振れたりすると長い時間をダブルタイムで漕ぎ切れなくなってしまいます。
太ももを引き上げることで、少し速いペースのダブルタイムにも対応できますし、ダブルタイム中のコリオ(プッシュアップやエルボーダウン、タップイットバックなど)にも耐えられるようになっていきます。ポジション3ダブルタイムのコツ三つ目です。
P3DT(3)に続く