再開したスタジオで
たぶん多くの読者の皆さんと同じように、再開したスタジオで何度か漕いできた。
密を極力避けるために普段よりも少し早めに到着。一時休館前とかわらず、インストラクターが元気に迎えてくれる。当たり前とはいえ、彼ら彼女らの明るさに感謝したい。入り口で検温して「大丈夫でーす」と確認後(「大丈夫」の場合、検温結果は訊かなければ教えてくれない)、手指消毒液で消毒して、チェックイン。
予約可能バイク数がおよそ半分に制限されているため、そしてレッスン間隔が休館前よりもあいているためにロッカーで密を感じることはあまりない。(でも、ロッカー数の5分の一も使われていないのに、使用中ロッカーの隣をわざわざ使う人って、どんな神経しているのだろう?)スタジオでもバイクが一台置きに使用されるので、密な感じはない。これ、フルで予約を入れられるようになったら「うわっ隣と近っ」と感じるだろうな。そういえば、今週からグレイタオルが使い捨ての厚手の紙タオルになった。用心するに越したことはないでしょう。
休館期間中、「自宅でフィール」を毎日のように漕いでいた。コリオが身体に染み付いているプログラム数種類だけになるが、それでも自宅でスタジオと同じことができるのはずいぶんとストレス解消になった。自宅に設置したスピンバイクとスタジオのバイクの違いの詳細はこちらの記事をご覧いただくとして、その要点は、①ハンドルがスタジオのほうが幅広 ②サイズがスタジオのほうが若干大きい ③スタジオバイクのほうがホイール(前輪)が重く感じる というもの。
ハンドル幅の問題は、主にポジション3立ち漕ぎでのプッシュアップのときに効いてくる。持ち幅が広いので、腕への負荷がスタジオバイクのほうが強い。サイズの問題とホイールの重さの問題は、スタジオバイクのほうが楽に感じる場面とキツく感じる場面があるので、なんともいえない。当然だけれど、スタジオバイクのほうが安定してしっかり漕げるので、快適だ。
バイク以外の相違点
バイクの種類以外で感じたのは、「場」の力。やはりスタジオで、インストラクターがいて、暗くて、何人も同じ空間にいて、という場の設え(しつらえ)の持つ力は偉大だ。自宅で漕ぐときに別に手抜きしているわけではないけれど、スタジオでは「漕ぐ気力」「集中力」「リセット感」が全く違う。先に書いたリンクした記事で、北米の「PELOTON」というバイクフィットネスのことを書いたが、将来フィールサイクルのレッスンが自宅で受けられる時が来たとしても、やはりスタジオに通うだろうな。(スタジオが近くにある限り)
このコロナ禍で、在宅勤務に代表されるテレワークをすることが多くなっている。オフィス不要論も出ている中だが、「オフィスに行く」ということの意味は、「気力」「集中力」「リセット感」にあるんだろうな、と感じている。フィールサイクルでいうと、場所を変えること(自宅というプライベートな空間から、スタジオという特別な空間に移動すること)による精神的なリセットと、ある種の緊張感からうまれる集中力、そしてその二つから出てくる気力、これは自宅ではなかなか出てこなかった。まぁフィールサイクルってただのフィットネスだし、遊びの一環でしょ、といわれれも身もふたも無いけど。場所を変えることの大切さを感じたのです。
コロナ後の「新たな日常」とか「New Normal」という言葉ができて、働き方や暮らし方が変わって行くのだろうと実感しながらも、フィールサイクルのもつ独特な「場」の力をひしひしと感じながらスタジオでのレッスンを毎回大事に受けよう、と思っている今日この頃です。
東京アラートが発せられ、北九州市では第二波の恐れ、とかいう報道が流れる中、フィールサイクルのスタジオ再開に向けて、スタッフや本部の人たちが一方ならぬ努力をしてきたのはよくわかります。休会や退会の会員さんがかなりの数にのぼり経営的にも苦しい状況が推測されます。フィールサイクルの力を信じて、みなさん頑張ってください。会員の一人として、心より敬意を表しながら。
(2020年6月)